(作家・ジャーナリスト:青沼 陽一郎)
新型コロナウイルスの感染が拡がる中で、安倍晋三首相が布マスクを全世帯に2枚ずつ配布すると表明した、いわゆる『アベノマスク』が、私の郵便ポストに投函されていたのは、4月27日のことだった。
配達を請け負う日本郵政の社長が同日に明かしたところによると、この時点でマスクの配布は全体の4%というから、まだ希少だ。
閣僚も付けていない布マスク
ビニール梱包された中に、1枚ずつビニールで密封された布マスクが2枚と、チラシが入っている。マスクの大きさは、一般の不織布マスクよりは小さく、私の掌と比べてもひとまわり小さい。これで役に立つのか、ちょっと不安になる。
同封のチラシには、大きく「3つの密を避けましょう!」と強調して印字されている。「密閉空間」「密集場所」「密接場面」のいわゆる『3密』を避けるようにとの指示だ。
その裏側には「みなさまへ」とするメッセージがあり、緊急事態宣言が出されたことや、不要不急の外出を避けるように呼びかけている。その中には、こんな記載もある。
<人と人との接触を7割から8割削減することで、感染者の増加をピークアウトさせ、減少に転じさせることができます。>
政府が専門家会議の意見を踏まえて、打ち出している対策方針だ。