今年4月30日、フロリダ州オーランドで、コロナに関する患者の質問に遠隔診療で答える医師(*本文と直接の関係はありません。写真:AP/アフロ)

 中国では俗に、「好了瘡疤忘了疼」(できものが治れば痛さ忘れる)と言う。日本語の諺に直せば、「喉元過ぎれば熱さ忘れる」だ。

 何のことかと言えば、新型コロナウイルスである。もともとは中国湖北省の省都・武漢発の感染症だったにもかかわらず、14億中国人は、すでにまるで「対岸の火事」のように思い始めているのである。

「喉元過ぎてコロナ忘れた」中国、大型連休を満喫

 というわけで、5月1日の「労働節」(メーデー)から5連休のGWが始まった。中国のテレビニュースは、5日間で1億1700万人が国内旅行に出かけると報じている。ほぼ日本の総人口にあたる規模だ。

 安倍晋三首相がどす黒い顔つきで「緊急事態宣言の延長」を示唆した日本からすれば、「中国は大丈夫なの?」と思えてしまう。だが、この変わり身の早さこそが、中国人のキャラクターなのである。

 さて、「喉元過ぎてコロナ忘れた」中国は4月29日、年に一度の国会にあたる全国人民代表大会を5月22日から開催すると発表した。毎年3月5日に開幕してきた全国人民代表大会は今年、新型コロナウイルスの影響で延期された。

 この重要イベントを一体いつ行うかが、中国の復興ぶりを示すメルクマールになると見られてきた。それだけに5月22日をメドに、中国がいわば新型コロナウイルスの「終息宣言」を出したに等しい。