護摩木を焚いて瞑想している最中は熱さや時間の感覚といったものがない

 昨今、瞑想が、静かなブームだという。

 禅宗の座禅、インド由来のヨガの瞑想、最近はスピリチュアルを謳うものなど瞑想には様々なものがある。

 瞑想は一般的に精神を安定させ、感情をコントロールし、リラックスする効果が認められるとされる。

 宗教における瞑想は内省による自己洞察、心や精霊といった目に見えない存在の認知、宇宙への一体感の感得、悟りによる智慧の完成、転生のサイクル輪廻を脱する解脱などその領域や目的は軽重深浅である。

世界最古の瞑想

 瞑想の歴史は古く、四大文明の一つ、インダス文明の遺跡・モヘンジョダロから座して瞑想しているような人が刻まれた印章が発見されている。

 インドでは古代から瞑想により目指されてきた境地がある。

 精神集中が究極に深まる到達点、三摩地、または三昧と呼ばれる領域で、それは自身の内側にある小宇宙と、外側にある大宇宙を感得する境地である。

 仏教の祖師、釈迦は、森林に入り苦行を繰り返したが、その後、山を下りると、スジャータという村娘が施した乳粥を食し、菩提樹の下で覚醒した。

 仏教は、その伝統から「悟り(知恵の完成)」を目指してきた。

 そして、様々な宗派で独自の瞑想の方法が体系化され、発展してきた経緯がある。