(桜井 進:サイエンスナビゲーター、sakurAi Science Factory代表取締役)
オーバーシュート(感染爆発)の危機に直面して、現在世界中で深刻な状況を引き起こしている新型コロナウイルスの感染拡大。
わが国でもオーバーシュートの危機に直面しています。政府が発表した「新型インフルエンザ等対策政府行動計画」(内閣官房新型インフルエンザ等対策室)には次の〈対策の効果 概念図〉が紹介されています。
この図をより正確に描いてみようと思います。基本になるのが伝染病流行の数理モデルです。
その方程式をもとにコンピューターシミュレーションを行うことができます。対策──外出自粛や密閉・密集・密接を避ける行動──の違いで、今後の感染者数の推移を定量的に比較することできます。
私は感染症や数理疫学の専門家ではありません。しかし、数理モデルをベースにした議論が一向に表に出てこないことを憂慮し、計算を始めました。
はたして、冒頭の政府発表のグラフをより定量的に描くことができ、専門家が指摘することに合う結果を得ることができました。