3月26日 モスクワ市内スーパーマーケットの様子。品揃えに特に大きな変化は見られないが、ルーブル下落によって輸入品は価格上昇傾向

 欧州の感染者が日々1000人単位で増加するなか、ロシア連邦保健監視局(Rospotrebnadzor)の発表によれば3月25日時点のロシア国内感染者数は840人である。

 こうした状況に対し、米国メディアを中心にロシアの感染者数は少なすぎる、ロシア政府は情報操作を行っているのではないかとの記事が目立つようになった。

 ロシアはウイルス発生源とされる中国と4209キロと最長の国境を接しており、特に極東ロシアでは道路、鉄道によってつながる中国とは密接なビジネス関係がある。

 モスクワを中心とするヨーロッパ・ロシアは感染者が急増中のEU諸国とビジネスはもちろん、観光での人の移動は頻繁である。

出典:ロシア消費監視局、Rospotrebnadzor, rospotrebnadzor.ru

 こうした批判に対し、ロシア政府は早期に適切な対策を講じたことが感染者数の抑制につながっていると反論しているのだが、過去に情報を操作した前例があるだけに西側のメディアが懐疑的になるのも仕方がない。

 これまでのロシア政府の「Covid-19」拡大防止対応策を振り返ってみよう。