新型肺炎の世界的急拡大
中国発の新型コロナウイルスは、3月19日現在、感染者数が21万4915に達し、引き続き急拡大を続けている。
中国の感染者数は8万1102と小康状態だが、第2波の韓国・イラン・イタリアに続き第3波として欧州や米国で顕著な増加がみられる。
中国の今後についても予断を許さない状況だ。ドイツのアンゲラ・メルケル首相、シュパーン保健大臣、独疾病予防ロベルト・コッホ研究所(RKI)ウィラー所長は、共同発表のプレスリリース(11日)で、「中国の強制的な隔離措置は、ウイルスが世界から消えることを意味しない」と指摘した。
シドニーにあるニューサウスウェールズ大学でバイオセキュリティーを研究しているライナ・マッキンタイヤー教授も、「パンデミックは、ワクチンができるか人口の大半が感染するまで封じ込められることはない」との見方を示した。
マッキンタイヤー教授の指摘の通り、新型コロナウイルスの沈静化が本格化するのはワクチンや薬剤の開発・普及(年単位)を待たねばなるまい。
最悪の場合は世界恐慌に
新型コロナウイルスの致死率は世界平均で4.06%で、高い例としては医療崩壊したイタリアの8.34%、低い例としては医療先進国ドイツの0.23%がある。
新型コロナウイルスの脅威の特徴は経済的なダメージが著しい点にある。
経済的なダメージは人々の新型コロナウイルスに対する「不安心理」により引き起こされる。その「不安心理」の根源は、季節性インフルエンザの致死率(0.06%)に比べれば新型コロナウイルスの致死率(世界平均4.06%)が68倍も高いことであろう。
もし、新型コロナウイルスがスペインかぜと同様に世界人口(77億人)のおよそ27%が罹患したとすれば、致死率を4.06%と仮定すれば、8441万人が命を落とすことになる。
ちなみに、米疾病対策センター(CDC)のリポートによると、季節性インフルエンザの世界での死者数は流行するウイルスの型によって幅はあるものの、年間29万~64万人という。
世界は、新型コロナウイルスで引き起こされた「不安心理」により、「工業生産の急減」「輸出入の急減」「原油クラッシュ」「連鎖倒産」「金融ショック」「世界的景気後退やデフォルト急増」などに繋がり、最悪の場合は世界恐慌をきたすかもしれない。