(写真はイメージです)

(大倉 隆弘:企業広報コンサルタント)

 この時期、在宅勤務や時差通勤の人が筆者の周囲にもたくさんいます。そのせいか、ほんの気持ち程度ではあるものの、朝夕の電車が空いているような気がします。

 それでもガラガラというレベルとはほど遠い状況です。もちろん医療や小売などその人がそこにいなければ始まらない仕事に従事する人もけっこういるのでしょうけど、そもそも会社が在宅勤務や時差通勤を認めていない、あるいは形だけ認めてはいても実質的には利用できる環境にない、という人もけっこういるのではないでしょうか。

「在宅・時差」は形だけの会社も

 筆者が聞いた限りではこんな話もあります。会社としては在宅・時差の制度を準備したものの、「平日は定時である9~17時の間に必ず部署に誰かがいなければならない」というルールがあると。そのため、けっきょく不公平にならないようみんな遠慮して通常出勤しているのだとか。けっこうな大企業なのですが、こちらの会社では誰かがオフィスにいなければならないということを部署によらず絶対条件にしているようです。まして在宅勤務など、制度こそあれ社員全員に行きわたるだけのノートPCも専用回線もないので実質的に誰もさせてもらえないのだそうです。

 要は世間の風潮に合わせてとりあえず形だけは制度を作ってみた、ということなのでしょう。そういう会社のホームページをチェックしてみると「在宅・時差勤務を実施しています」などと立派なことを謳っているのですが、こんなふうに運用実態が怪しい会社もけっこうありそうです。

「在宅」は生き残れるかどうかの試金石

 時差通勤は何とか対応できても、在宅勤務となるとけっこうハードルが高いようです。