短距離弾道ミサイル発射の意味
韓国軍合同参謀本部は3月9日、北朝鮮が飛翔体飛3発を発射したと明らかにした。
北朝鮮は2日にも日本海に向けて2発の短距離弾道ミサイルを発射しており、今年に入って2回目となる。
韓国軍は、金正恩氏が今月2日に視察したミサイル発射は、冬季訓練の一環として朝鮮人民軍が実施する合同打撃訓練の一部で、その訓練がその後も継続され、9日の発射訓練に繋がっていると分析している。
金正恩委員長が視察する短距離弾道ミサイルなどの訓練・テストなどは、弾道ミサイルなどの性能向上・訓練練度の向上などの目的で実施されることもあるが、その主たる狙いは内外に対する政治的なメッセージを発信することだろう。
北朝鮮が伝えたいメッセージ
北朝鮮は、今回の短距離弾道ミサイルの発射で、いかなるメッセージを、誰に、伝えたいのだろうか。
米国トランプ政権に対するメッセージではない
北朝鮮は金正日の頃から核実験やミサイル発射の狙いは、最大・唯一の“天敵”である米国に向けたものだった。
「米国よ、俺の方を振り向け! 俺と向き合って交渉のテーブルに着け!」というのが基本的なスタンスだった。
だが、今回はそうではないだろう。
なぜなら、米ドナルド・トランプ政権の最大関心事は11月に予定される大統領選挙である。今、トランプ氏は北朝鮮に目を向けるだけの余裕もなければ、その価値も認めてはいないのではないか。
つまり、北朝鮮などどうでもよいのだ。