逮捕されれば、刑事訴訟法にしたがって手続が進められます。検察官送致、勾留、勾留延長、起訴・不起訴の処分で手順が進み、最長で逮捕日から23日間捕まった状態が続くことになります。起訴されれば期間は長引くことになります。一般のサラリーマンであれば、長期欠勤は懲戒の対象にもなりかねません。
そうなればまさに「身の破滅」と呼んでいい状況ですが、公共交通機関の利用ぬきに毎日の通勤は出来ません。通勤ラッシュ時に電車に乗る乗客(とくに男性)は冤罪のリスクを抱えていると言えます。
であるならば、万が一の時に備えて、対峙方法を覚えていたほうが賢明です。まず、有無をも言わさず連行される駅長室とはどんな場所なのでしょうか。この機会に、私の実体験を踏まえ、駅長室に関する情報を提供したいと思います。
駅長室ってどんな場所?
約10年前、JR山手線で新宿から池袋に向かう際の出来事になります。当日は雨が降っていました。時間は20時頃で車内は比較的空いていたのを覚えています。私はつり革につかまっていました。池袋駅に到着すると、女性に声を掛けられました。
女:カバンが当たったんです。痛いんです。
私:どこにですか?
女:顔に当たりました!
ちなみに、当日使用していたのはゼロハリバートンのアタッシュケース。当たれば相当痛そうではありますが、私には何かにぶつけた様な覚えは一切ありませんでした。
そのままでは車内で口論になりそうだったので、2人でホームに出ることにしました。
女:静かに話せないので駅長室行きましょう。
私:いいでしょう!!
彼女のクレームも、私にとっては身に覚えのないものでしたので、彼女の提案に従い、堂々と駅長室に入っていきました。
駅長室には駅員が1名。駅員がわれわれにヒアリングを始めました。
駅:なにをされたんですか?
女:この人のカバンが顔に当たって痛いんです。
私:覚えがありません。
女:痛いんです!!
私:あなた、さっきから自分でつねってますよ?
女:さすっているんです!
そういうと、女性は、おもむろにケータイ(ガラケー)を取り出しました。
女:おはようございます!池袋で事件に巻き込まれました。遅刻します!(プチっ)
私:えっ、これから出勤なんですか? 遅刻しそうなのでトラブルをでっち上げたんですか?
女:ちがいますっ!!
私:雨が降っているんだからタクシーくらい使えば? それともタクシー代が出ないの? 可哀想に!
どうやら遅刻の言い訳の材料に使われようとしていることに気づいた私も、ついカッとなって少しだけ挑発的な言葉使いをしてしまいました。すると女性は、言葉にすることも憚るような汚い言葉を吐いて、駅長室を飛び出していきました。