2月25日、訪問先のインドで記者の質問に応じるトランプ大統領(写真:AP/アフロ)

(山田敏弘:国際ジャーナリスト)

 米ネバダ州で2月23日、民主党の党員集会が開かれ、2020年の大統領選における民主党の候補者選びが実施された。この民主党の候補者選びの“第三戦”の結果は、民主党の中でも左派の代表格であるバーニー・サンダース上院議員の勝利となった。アイオワ州、ニューハンプシャー州、そしてネバダ州での党員投票が終わったわけだが、まだスタートダッシュした候補者はいない。民主党の指名候補者選びは混乱の様相だ。

 日本で今、多くの関心を集めている新型コロナウイルス(COVID-19)については、もちろん米国でも感染者が出ていることもあり、関連ニュースは全国的に報じられ、注目されている。だが民主党指名候補争いのニュースは、それ以上の大きさで扱われている。というのも、次の戦いの地であるサウスカロライナ州を経て、3月3日には一気に14州で予備選が行われるスーパーチューズデーを迎える。大統領選の一つの山場が間近に控えているからだ。

 新型コロナウイルスに大統領選——実はそんなニュースの裏舞台で、米国に対してサイバー空間を駆使して情報工作に勤しんでいる国がある。ロシアである。

ロシアの極右議員が流す「新型コロナはアメリカのバイオ兵器」説

 今、ロシアは、新型コロナウイルスにからんで、スピン(情報操作)に乗り出している。それだけではない。2016年の米大統領選では、ドナルド・トランプ候補に有利になるような情報工作を繰り広げた同国は、2020年の大統領選でも再び干渉しようと蠢いていることが確認されている。つまり、今のアメリカの二大トピックスに絡んで、積極的な情報工作を絶賛展開中なのだ。

 その手法はと言えば、例えばこんな具合だ——。