「同一労働同一賃金」導入の対応手順

 では、企業として最低限どのような取り組みが必要なのだろうか。これについては、厚生労働省が公表している「パートタイム・有期雇用労働法対応のための取組手順書」が参考になる。手順として以下を紹介しており、手順4までは早めに取り組むことを推奨している。

手順1:労働者の雇用形態を確認する。
手順2:待遇の状況を確認する。
手順3:待遇に違いがある場合、違いを設けている理由を確認する。
手順4:手順2と3で、待遇に違いがあった場合、その違いが「不合理では ない」ことを説明できるように整理する。
手順5:「法違反」が疑われる状況からの早期の脱却を目指す。
手順6:改善計画を立てて取り組む。

HRプロ

 実務上は、まずは正社員・非正規雇用労働者の区分、契約期間、労働時間、職務内容(業務内容、責任)、配置変更の有無、その他の事情、月例給(基本給と諸手当)、賞与、退職手当、教育訓練、福利厚生を網羅した一覧表を作成することをおすすめする。

 その上で、待遇差がある場合は、なぜ差を設けているかという理由を明確にして、労働者が納得できるような客観的・具体的な説明ができるようにしておかなければならない。客観的・具体的な説明ができないという場合は、待遇の違いが不合理であると判断される可能性があるので、待遇改善を検討する必要がある。

 なお、通勤手当は労働契約が有期か無期かの違いによって必要な費用が異なるわけではない。そのため、職務内容との関連がないと考えることが一般的なので、同一の取扱いが求められるだろう。もしも、非正規雇用労働者に支給していない場合は、改善が必要となる。

 今回の改正により、待遇に関する説明義務も強化されるが、以上の対応をしておくと資料を活用しながら説明することもできお勧めだ。

【参考】厚生労働省:パートタイム・有期雇用労働法 対応のための取組手順書(PDF)
https://www.mhlw.go.jp/content/000467476.pdf


松田 法子
社会保険労務士法人SOPHIA 代表

著者プロフィール
 

HRプロ編集部

採用、教育・研修、労務、人事戦略などにおける人事トレンドを発信中。押さえておきたい基本知識から、最新ニュース、対談・インタビューやお役立ち情報・セミナーレポートまで、HRプロならではの視点と情報量でお届けします。