ニュージャージー州ロビンスビルのアマゾンフルフィルメントセンター。2019年12月2日(写真:ロイター/アフロ)

 米アマゾン・ドット・コムは、自社eコマース商品の物流業務を米ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)や米郵政公社(USPS)、米フェデックス(FedEx)といった大手に委託している。

 しかし、最近の同社は自前の物流事業に力を入れており、その規模を急速に拡大させている。

自社便だけで年間25億個を配達、22年には65億個に

 米モルガン・スタンレーの調査を基に伝える米CNBCの記事によると、アマゾンの物流業務は、同社が米国で販売するネット通販商品のほぼ5割を手がけるまでに拡大したという。

 この比率は1年前で2割程度だった。同社は現在、年間25億個の荷物を自前の物流事業で配達している。これに対しUPSの年間配達個数は47億個、フェデックスでは30億個。

 アマゾンの物流事業の規模は今のところ、競合の5分の1以下にとどまるという状況。しかし、その2018年から2022年までの年平均増加率は68%になるとモルガン・スタンレーは推計している。

 これにより、2022年の同社の年間配達個数は65億個に達し、同年のUPSとフェデックスの配達個数(それぞれ50億個と34億個と予測)を大きく上回る見通しだという。

 また、モルガン・スタンレーは、アマゾンの物流事業は都市とその周辺地域に集中している点が特徴だとも指摘する。

 取扱荷物の61%が郊外向け、28%が都市向けで、農村地域は11%にとどまる。こうした人口密集市域への集中とテクノロジーの活用で業務効率を高め、規模を急拡大させてきたという。