アマゾンのロゴ(写真:AP/アフロ)

 米ウォール・ストリート・ジャーナルによると、米通商代表部(USTR)は、米アマゾン・ドット・コムが米国外で運営する一部のeコマースサイトを「悪質市場」のリストに加えることを検討しているという。

知財侵害の商品が多数との報告

 USTRは毎年、模倣品や海賊版といった知的財産権を侵害する商品を販売、あるいは販売を手助けしている市場を指定し、公表している。近くその2019年版を公表する予定だという。

 米国の衣料・靴・縫製製品のメーカーなどを代表する業界団体「アメリカン・アパレル・フットウェア協会(AAFA)」は、アマゾンの5つの海外サイト(英国、カナダ、ドイツ、フランス、インド)を同リストに加えるよう求めている。

 また、一部のトランプ政権当局者もこれらアマゾンの海外サイトのリスト入りを支持しているという。

 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、このリストは、他国に対して法整備を働きかけたり、外国企業に対して商慣行を改めるよう促したりする目的で作成している。例えばここ最近は、中国アリババ集団の消費者間取引(CtoC)マーケットプレース「淘宝網(タオバオ)」が悪質市場として指定された(「悪質市場」2018年版)。

 このリストは米国の規制を定めるものではない。しかし企業にとっては不名誉なことであり、営業活動にマイナスの影響を及ぼす。そして、今回USTRが、アマゾンという米国企業の指定を検討しているという状況は、大きな転換点を意味するとウォール・ストリート・ジャーナルは伝えている。

アマゾン、「法令遵守の専門チームで安全性を確認」と主張

 かねて、サードパーティーと呼ばれる出店業者が販売活動を行うアマゾンのマーケットプレイスには、模倣品のほか、安全基準不適合や消費期限切れなどの商品が数多くあると報じられていた。