ウォール・ストリート・ジャーナルやCNBCなどの米メディアの報道によると、米アマゾン・ドット・コムはeコマースサイト内の商品検索で、収益性の高い商品を優先表示するようにアルゴリズムを変更したという。
また、同社の小売部門の幹部がプライベートブランド(PB)商品を優先表示させるように検索システム部門に圧力をかけたと、事情に詳しい関係者は話したという。
小売部門の幹部と検索部門の対立
アマゾンの幹部は、他の小売業者が行っているように、自社でもPB商品の販売促進を行うべきだと考えている。しかし「A9」と呼ばれる検索システム部門の従業員は、自社PBを検索結果に優先表示することは顧客の最大利益にならないと、真っ向から反対したという。アマゾンの法務担当も、反トラスト法違反の調査がさらに厳しいものになるとして反対したという。
確かにこれは消費者を惑わす行為と言えそうだ。eコマースの検索機能は小売店舗の販売促進コーナーとは大きく異なる。顧客は、自分の希望に最も近い商品が検索結果に現れると考えている。
商品検索の意図的な偏りは、流通業界にも大きな影響を及ぼしそうだ。
米調査会社ジャンプショットによると、米国ではeコマースの買い物客が商品を探す際、米グーグルなどのネット検索サービスではなく、アマゾンで検索する人が54%に上る。大半の消費者は検索結果の1ページ目に表示される商品を購入しているという。
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