アマゾン、留守中も宅内に配達 スマートキーと監視カメラ活用

米アマゾンのロゴ(2011年9月28日撮影)。(c)AFP/EMMANUEL DUNAND〔AFPBB News

 米アマゾン・ドットコムは、先ごろ、自社のショッピングアプリ内で、より低価格商品をポップアップ表示する実験を行った、と米ウォールストリート・ジャーナルが伝えている。これが、一時的にも競合商品の表示を妨害する行為だというから、驚きだ。

ポップアップウインドウで自社商品を売り込む

 例えば、利用者がアマゾンのアプリ内で、「単4電池」を検索し、検索結果の一覧画面から「エナジャイザー(Energizer)」の電池をタップして表示させる。すると、その直後に、エナジャイザーの商品よりも低価格の乾電池を表示するポップアップウインドウが表れる。

 今回の実験で表示されたのは、アマゾンのプライベートブランド(PB)「AmazonBasics」の乾電池だった。ポップアップウインドウは、スマートフォン画面の半分ほどを占めており、エナジャイザーの製品は、暗いグレー色で表示された。そして、利用者は、このウインドウを閉じるか、アマゾンの商品をタップして、そちらの画面に進むかのいずれかを選択しない限り、買い物を続けられない。

 実験は、すでに終了しており、現在こうした表示はなくなった。アマゾンは「顧客に、より低価格の商品があることを示しただけ」とし、広告ではないと説明。「我が社のPB商品が、優先して表示されたわけでもない」とも述べている。

プライベートブランド、消費財メーカーへの脅威に

 同社は、2016年半ばから低価格PB商品の展開を本格化させている。乾電池などのAmazonBasicsのほか、赤ちゃん用紙おむつの「Mama Bear」、栄養補助食品の「Happy Belly」といった多種多様なPBを開発し、今では、120種以上のブランドを持つ。

 今回の報道によると、アマゾンはこれらのPB分野で、シェアを伸ばしつつある。米国eコマース市場におけるアマゾンの売上高シェアは、ほぼ5割に達しているという状況。こうした中、同社の影響力はますます高まっている。もし、今回行った実験が本格的に始まれば、消費財メーカーのビジネスが脅かされるおそれがある。

 また、今回の実験は、実店舗における商品陳列の慣習とは異なると、ウォールストリート・ジャーナルは指摘している。