逆にその特権的な立場を自覚し、不法行為などそもそも論外、そのように疑われるような振る舞いも避けねばなりません。

 ちなみに私自身ですら、何一つ問題がなくても、おかしな誤解を誘発しうるような事態があれば大きく問題を回避する原則を徹底しています。

 憲法によって刑事訴追を免れる、いわば憲政のブラックホールのような立場にある内閣総理大臣は、不法行為はもとより、それと疑念を持たれるような行動も、一切あってはなりません。

 團藤先生は残念ながら2012年6月25日、98歳で逝去されました。

 そのお見送りもお手伝いさせていただきながら、先生がお元気であればおっしゃられたであろう基本は、自分に可能である限り、襟を正しけじめをつけていくことを思い定めています。

 ここでは別論に具体的に詳細を記しませんが、私が長年関わってきた大きな刑事事件・刑事裁判に関わる問題についても、徹底してきたことは、長年の読者にはよくご存じのところと思います。

 今回の「さくら疑獄」、もし團藤先生がご覧になったら「問題外」とおっしゃったと思います。

「言語道断」などと強い口調で非難するというより、あまりのレベルの低さに「あり得ない」「問題外」と言われるのが目に浮かぶように思います。

 東宮参与として明仁「皇太子」一家の様々な相談に応じられ、英国留学から戻った浩宮が軽井沢の團藤別荘でステーキを焼くような親しい関係にあった團藤先生は、明仁天皇の生前譲位も念頭においておられました。

 また浩宮の即位に向けてのサポートにも力を尽くされました。

 その浩宮が皇太子から皇位を継承する式典に関連して、このような「さくら疑獄」が起きるとは、さすがの團藤先生も予想しておられなかったでしょう。

 第2次安倍内閣が発足するのは、團藤先生のご逝去から半年ほど後のことになります。

 皇位継承に伴う首相夫婦主催の晩餐会が、疑獄事件、利益供与でここまで汚されるなど、ただ単に「あり得ない」仕儀と言うべきでしょう。

「さくら疑獄」が確定してしまった状況、政局がどのように動くかは見守るしかありませんが、「人の噂も75日」でうやむやにしてよいような問題でないことは、元特捜検事の郷原弁護士が明瞭に指摘している通りと思います。