仕事に対する評価をどう考えるか

厚切りジェイソン

―それでは、企業の中にどのような制度があると、労働者の意欲を引き出し、仕事の質を高めることができると考えますか?

厚切りジェイソン やっぱり、責任や能力に合った給料を支払うことじゃないですかね。やっぱり、仕事に対する評価はお金で示すことが大切なんだと思います。それが無ければ評価ってどういった基準でなされるのでしょうか? 上司に褒められること? 褒めてもらうことを目指して一生懸命働くのでしょうか? 僕の場合は、上司の評価が欲しくて仕事している訳じゃないから、やっぱり仕事内容にあった対価を受けることが大切だと思いますね。

あくまで、これは僕の意見であって、仕事自体にやりがいを感じて働いている人だっています。ただ、そういった人こそ、低い賃金だったりしますよね。これをどう考えるか。

―確かに、仕事に見合った給与をもらえれば、モチベーションも上がりますよね。

厚切りジェイソン それだけじゃありません。日本だと、社員に割り振られる仕事の内容もあいまいですよね。アメリカだと、割り振られる仕事の内容が明確に決められています。もちろん、与えられた仕事以上の成果を出せば出世しますし、与えられた仕事以下のことをすればクビになる。仕事に対する評価基準がはっきりしています。

一方、日本の場合は、本来の仕事内容とは異なる業務をこなしたところで、昇給するわけでもない。それ以下の仕事をしていても、周りからチクチク言われるだけで、給与やポジションに変化がある訳ではない。

アメリカでは「あなたの仕事はこれで、これを満たしていればこうなる、満たしていなければこうなる」といったことが、契約時に交わす書面の中にすべて書かれています。

だから、人事異動だってない。だからこそ、労働者の基本的な考え方の中に「決められた仕事内容で入社している訳だから、それ以外の仕事を振られたら訴えますよ!」という姿勢がある。日本は、急に人事異動だってありますよね。それこそ、入社した時に伝えられていた仕事内容とは全く関係のない仕事をする部署に異動することになったりね。

ただ、日本的な企業文化が悪いという訳ではないんですよ。もちろん、いろんな業務内容に触れることで、幅広い視点からビジネスモデルを描ける人材が育つというメリットもあるかと思います。ただ、本人がその仕事をしたくない場合はどうでしょうか。会社都合で自分のやりたいこととは違う仕事を振られて、それでも我慢するのか?

毎月もらう給料から、投資をする癖がついた

厚切りジェイソン

―ここからは、働く人にとって大きな関心事でもある老後に向けた“資産形成”についてお聞きできればと思います。日本に比べて、アメリカの労働者は早いうちから将来に備えて「投資」を始めていると聞いたことがあります。

厚切りジェイソン それは、アメリカには日本のような公的年金制度がないからね。その代わりに「会社側が労働者の年金を作る仕組みを用意するので、その制度を使って老後に備えましょう」という文化があるだけ。ただ、その制度を実際に使っている人はあまりいない。将来のお金より、今現在のお金を優先する人が多い。アメリカは消費者社会ですからね。まぁこれも、それぞれの人の選ぶ生き方によることなんだけど。僕の場合は、今時点の消費より、将来の自由を優先したいと考えるね。

ただね、この投資の話はいま、アメリカで大きな社会問題に発展しているんですよ。投資の必要性を感じて老後の資産形成に取り組めた人は、ある程度の年齢に達した後、仕事を引退できていますが、資産形成に取り組めなかった人は一生働き続ける生活を余儀なくされています。

―厚切りジェイソンさんは、将来に向けてどのような備えをされているのでしょうか?

厚切りジェイソン S&P500指数に連動するインデックス型ファンドで資産運用をしてますね。緊急で使う可能性のある現金以外は、ほとんど投資信託に充当しています。

―資産運用はいつ頃から始められたのでしょうか?

厚切りジェイソン 会社員になった時からですかね。そこで、毎月もらっている給料から投資を行う癖がつきました。

―投資を始める上で、もっとも躓きやすいと言われるのが最初の一歩、つまり証券口座を開設して金融商品を購入するステップです。やっぱり、米国企業のように入社した時点で、半強制的に投資を始めるような仕組みがあると、投資をはじめるきっかけになりやすいのですかね。

厚切りジェイソン それはあると思いますね。それ以外にも、僕が投資の必要性を感じて資産運用を始めるようになったのには、父親の教育が関係しているかと思います。父は、僕が10歳前後の頃には「仮に、1億円があったとして、その1億円を使えば目の前の豊かさが手に入る。一方、1億円を投資に充当すれば、死ぬまでの期間、毎年600万円が手に入る。どちらの生活を選びたい?」という話をしてくれていましたね。

―家庭の中で自然と金融教育を受けてこられたのですね。

厚切りジェイソン ちなみに、僕も娘たちにお金の勉強をさせてますよ。例えば、娘たちが毎年もらうお年玉を使って、資産運用の疑似体験をさせています。仮に1万円のお年玉を持っていたとすると、その1万円を預けてくれれば10分の1の金額(1000円)を利子として足してあげますよって話をしているんです。こんな話をすることで、お金を使わないで貯めるインセンティブも働きますし、資産運用の勉強にもなりますよね。

それだけじゃなくて、アメリカでは中学生くらいの時期に投資の授業があったかと思います。各生徒が個別銘柄を選んで、1年間その銘柄がどのような動きをするかをチェックするといった宿題があったかと。