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 この『人事評価制度を活用した人材確保と賃金向上 Vol.2』は、岩本教授が理事を務める一般社団法人 日本パブリックアフェアーズのホームページで公開されている。“パブリックアフェアーズ”とは聞きなれない言葉だが、同法人の設立趣意では以下のように述べられている。

「今求められていることは、企業の活動を社会課題解決の文脈に位置づけ、アカデミックな観点に裏打ちされた新たな政策を導入する機運を醸成した上で、市民、政治家、行政が参加するオープンな議論と政策検討の場を用意することであり、これを『パブリックアフェアーズ活動』と呼ぶ。

 パブリックアフェアーズを産業として日本に根付かせ、政官民、産官学の叡智を結集し、我が国が直面する課題の解決を後押しするとともに、経済を活性化させることを目指し、関係者を集め議論と研究を行う団体として日本パブリックアフェアーズ協会を設立する。」

 このような考えに基づき、まさに社会的な課題となっている中小企業の人手不足問題を解消すべく、政策提言のひとつとして同レポートは発表されたわけだ。が、「賃金決定方法の開示を就業規則に明文化する法改正を行う」、「人事評価制度導入による賃上げ税制のインセンティブを用意する」という2つの提言が、実際に法律・政策として実現することを待つ必要もないだろう。

 同レポートを信じるのなら、いち早く人事評価制度を導入すべきだ。たとえ賃金の決定方法・計算方法を就業規則に記載する義務がなくとも、それらを従業員に開示すべきだ。そして、給与総額の増加によって得られるインセンティブがなくとも、人事評価制度を正しく活用して昇給させていくべきだ。それが生産性向上や人手不足解消をもたらし、中小企業を救うことになるのだから。

【参考文献】
人事評価制度を活用した人材確保と賃金向上 Vol.2