友達と遊ぶ子供

 千葉県を中心に各地を襲った台風15号の被害回復もままならない9月12日、東京都豊島区池袋のホテル客室で、袋に入った状態で女性の遺体が発見される事件が発生しました。

 3連休を挟んだ翌週の9月18日、容疑者として都内の大学に通う22歳の若者が逮捕され、関連報道でメディアはあふれ返りました。

 また、同じ9月18日の早朝、埼玉県さいたま市で小学校4年の男子児童が遺体で見つかる事件が発生、翌19日、同居していた32歳の「義父」が容疑者として逮捕されました。

 ほぼ同時に前後して逮捕された、2人の容疑者の行動には、いくつかの共通点があるように思われます。

 あまりにも拙劣な「犯行の隠蔽」この観点から、現代の一つの病巣が垣間見えるように思わざるを得ません。

理解困難な安易な隠蔽、さいたまの場合

 さいたまのケースから考えてみます。

 報道では、同居してまだ半年ほどの、32歳の若い「義父」が、被害者児童の忘れ物(赤白帽をなくしたらしい)を注意したところ、被害者児童から「本当の父親じゃないのに」と言われ、かっとなったと供述しているらしいことが伝えられます。

 仮にそこでかっとなったとして、それがどうして「電気の延長コード」で子供の首を絞めるという行動につながるのか、まずここが不可解です。

 反射的、発作的行動のように報道されていますが、上記の言葉は最後の引き金を引いただけで、より根深い背景があった可能性が考えられるように思います。

 ここではこれ以上の憶測は控え、淡々と出来事だけを確認しましょう。

 9月17日午後4時頃、学校から帰ってきた被害者児童は、赤白帽を紛失したことを咎められ、上記のやり取りの後、すぐに「義父」により殺害された可能性が高い。

 母親が夕方6時頃に帰宅したとき、「義父」は「塾に行った」と説明、しかし本来なら5~6時頃にかけて英語教室に通っているはずの息子が、いつまで経っても帰って来ない(実際には塾には姿を見せていなかった)ため、母親が110番通報。

 宵の口から捜索が始まったものと思われ、結局深夜0時40分頃、自宅向かいの空き家のメーターボックス内で、座った状態の被害者の遺体を警察官が発見。

 靴をはいておらず、また住居近辺の防犯カメラにも被害者の姿は映っておらず、靴が不自然な場所から見つかるなどしたこともあり、結局義父の容疑が固まり、逮捕に至ったと報道は伝えます。