チョグク・ファンドが集中投資した「ウェルズシーエヌティー」は、主に公共工事を受注する街灯点滅機メーカーで、チョグク・ファンドの投資後、飛躍的な成長を遂げている。自由韓国党のチョン・ジョムシク議員は、関連省庁から提出された資料をもとに、ウェルズシーエヌティーが、2017年8月から2019年7月までに44カ所の地方自治体と公共機関に、計177件(点滅機2656台)を納入していることを明らかにした。

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 街灯事業は、自治体の首長の許可さえ得られれば、入札手続きなしで事業が可能だ。チョン議員が入手した資料によれば、納入実績の83%は「共に民主党」所属の首長が在任している地方自治体から受注した契約で、最も多くの取引があった自治体は慶尚南道金海市だ。金海市長は「共に民主党」のホ・サンゴン議員で、慶尚南道知事は2017年大統領選挙当時、文在寅候補陣営の広報室長を務めた金慶洙(キム・ギョンス)氏である。特に、金氏は、インターネット世論操作事件のドルイドキング事件に巻き込まれて裁判を受けている人物で、文大統領の「腹心」として知られる人物だ。チョン議員は「公共工事を総なめした背景には、民情首席室の威勢があったという疑惑を想起するのに十分値する」と主張した。

「チョグク・ファンド」が文在寅政権の「スマートシティ」公約と関連する「公共Wi-Fi事業」にも関わった情況も明らかになった。

 韓国メディアによると、2016年2月に設立されたコリンクPEは、発足前から地下鉄Wi-Fi事業獲得に向けた計画を立てていた。その後、コリンクPEが運営するチョグク・ファンドが投資したウェルズシーエヌティーは、「PNPプラス」とコンソーシアムを構成、2017年9月には見事、ソウル市地下鉄Wi-Fi事業の優先交渉対象者に選ばれた。4回の入札過程で脱落や選定会社の取り消しなどの紆余曲折を経て、5度目の挑戦で韓国最大通信社のKTを退けて入札に成功したのだった。

 その後、2018年2月にソウル市と本契約が締結されたが、技術や資金の不備などが指摘されて契約は解除された。ところが、PNPプラスが優先交渉対象者に選定された背景に、チョ氏家族による投資資金と与党関係者の関連疑惑が浮かび上がったのだ。

 自由韓国党が入手して暴露したPNPプラスコンソーシアムの持ち分資料によると、株主名簿には「共に民主党」の現役重鎮議員の元補佐官と、「共に民主党」所属の元議員の補佐官が株主として名を連ねている。自由韓国党は、「公共Wi-Fiの拡充は朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長の定番公約だった」とし、コリンクPEの事業計画と朴市長の関与疑惑も提起した。