経営、マーケティング、プロジェクトなどにおける旗印や指針は、川上から始まり、川中、そして川下へと伝達される。コピーライターの川上 徹也氏は、「川上」で1行に凝縮された理念「川上コピー」の重要性を説く。かつてアメリカで、川上コピーによって社員が一体となり、大きな成果を生み出したレンタカー会社があった。一体どんなコピーだったのか?(JBpress)

(※)本稿は『川上から始めよ』(川上 徹也著、ちくま新書)より一部抜粋・再編集したものです。

「15文字コピー」のすすめ

 あなたがいま関わっているプロジェクトの「川上」には、「旗印」や「指針」となる明確な「言葉」がありますか? その「言葉」で「実現した時の未来」が、きちんとイメージできますか?

 それは長くなればなるほど伝わりません。凝縮された1行であることが大切です。できれば15文字以内が望ましい。人間が一度に憶えることができる文字数が、それくらいだからです。

 それぞれのプロジェクトの一番上流にあり、川中・川下を規定する「旗印」や「指針」となる凝縮されたフレーズのことを、私は「川上コピー」と名付けました。

 きちんと機能する「川上コピー」が掲げられ、それがメンバーに共有されていると、そのプロジェクトが成功する確率は格段に上がります。