人種差別路線に磨きかけるトランプ
再選戦略は成功するのか
ドナルド・トランプ大統領による黒人蔑視のオクターブが上がり続けている。
ソマリア系やプエルトリコ系、アフリカ系の4人の女性下院議員に次いで、今度は下院の黒人大物議員、アライジャ・カミングズ下院監視政府活動改革委員長をやり玉に挙げた。
言うに事欠いて「お前の選挙区は鼠だらけだ」と言い放ったのだ。
いまだに露骨な人種差別が続く南部ならともかく、トランプ氏は生粋のニューヨークっ子。下町のクイーンズ区生まれ。地下鉄では20分も乗ればマンハッタンのど真ん中に着く、ユダヤ系やコリアンが多い地域だ。
トランプ氏が大統領になってからツイッターで「つぶやいた回数」は7月末で4万5000回。CNNの黒人キャスター、ビクター・ブラックウェル氏が数えている。
同氏によると、これまで多くの人間を誹謗中傷してきたトランプ氏は、黒人とラティーノを中傷する時には、「Infest」(蔓延る、寄生する)という表現を使ってきたという。
「黒人が蔓延る街」とか「ラティーノが寄生する地域」といった具合だという。
ブラックウエル氏は「トランプという男にとっては黒人やラティーノは鼠や虫けら同然なのだ」と言い切る。
若干おさらいになるが、トランプ大統領がここ1週間~10日間に黒人やラティーノに対する差別発言(通常の米国人なら公の場では絶対に使わないヘイト表現)を時系列的にみてみるとこうだ。
パターンはまずツイッターで発せられ、その後支持者の集会のアジテート演説でさらにアップグレードする。