1 前言

原発付近の海水から基準値上回る放射性物質

大事故を起こした福島第一原発の衛星写真(3月17日)〔AFPBB News

 3月11日に発生した未曾有の震災・大津波。いまだ報道の場面では「東北関東大震災」とも「東日本大震災」とも。統一された呼称がないことからも対応策の遅れが推察される。(気象庁は3月11日「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」と命名)

 政府は、生存者救出、被災民保護、緊急医療体制整備等々立ち上がりの対応から、中期、長期的な対応を考慮した被害復旧とそれに伴う予算措置や特別立法の整備等体系的かつ大胆機敏に実行に移していかなくてはならない。

 それが非常時の中央政府の役割だろう。いたずらに責任の所在を追及したり責任回避や政局を絡めた小田原評定を続けていたのでは、国家の難局に効果的に対応できるとは思えない。

 本論は、政治批判や政権非難が趣旨ではない。私の限定的ながら少なからぬ知識、経験と最近の情報収集から私見を述べるのみである。

 大災害に命を奪われ、家屋を、土地を、資産を奪われ悲嘆にくれながらも困難に立ち向かう被災者や、その支援に当たる献身的な現場の方々に、ただただお悔やみを伝え感謝するために何かを発信せざるを得ないという心情から、とりまとめた提言である。

 この声が対応に当たる関係者に届き、そして何らかの意味をなせば望外の喜びである。