男性アイドルならば180センチ超の高身長イケメンは珍しくなく、女性アイドルも高身長、スリム、美形の三拍子が揃っているアイドルが数多くいます。世界最大の人口を有する国だけに、恵まれた素材がごろごろしていることが窺えます。

 ただ、素材に優れる一方、日韓アイドルと比べた場合、中国アイドルに致命的なまでに欠けていると思われる要素があります。それは「垢ぬけなさ」「親しみやすさ」です。

 近年は中国でもバラエティ番組が増え、会話の流れに応じたトーク力やリアクションがアイドルにも問われるようになってきています。しかし中国のアイドルは真面目すぎるのか、全体的にリアクションやトークがやや固い印象を受けます。ボケないし、バカなことはやらないし、自虐ネタももちろんありません。

 この特徴は、男性アイドルであればクール路線とすることで大きな問題にはならないかもしれません。しかし、女性アイドルにとって垢ぬけない感じや親しみやすさの欠如は大きなハンデと言わざるを得ません。

 日韓の女性アイドルは、おそらく計算の上だと思いますが、テレビで珍回答や天然ボケを連発します。ところが中国の女性アイドルはプライドが高いためか、そうした反応をあまり見せません。もしも将来海外展開を行うことになった場合、日韓市場ではその点が大きな障害となることでしょう。

まだまだ不安定なビジネスモデル

 中国アイドル市場の課題としては、育成体制の不十分さ、そして収益手段の少なさも指摘されています。