サンクトペテルク国際経済フォーラム(SPIEF)についてはすでに安達祐子氏が触れているが(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/56678)、参加者や分科会のテーマを詳細に眺めてみると、普段では気がつかない意外な点が見えてくる。
その一例として本稿では、フォーラム枠内で開催された地方の投資環境ランキング評価について取り上げてみたい。
注目を集める「地方の投資環境評価」
SPIEFはロシア政府が「ロシア版ダボス会議」として、ロシア国内外、特に欧米の政府や企業関係者への自国の立場などをアピールする機会の一つともとらえられている。
毎年大統領を筆頭に主要経済閣僚やロシア企業幹部が大挙して参加し、それぞれの立場からプレゼンテーションや参加者との議論に臨む。
ウラジーミル・プーチン大統領が各国首脳を招いて開催する全体会合や、日露をはじめとした二国間の企業関係者による「ビジネス対話」のほか、テーマに基づき様々な分科会が開催される。
その中で、近年注目を集めるようになってきたのが「地方の投資環境評価」だ。
投資環境評価のセッションにはプーチン大統領こそ出席しないものの、今年は大統領府からベロウソフ経済担当補佐官、連邦政府からムトコ副首相(地方財政担当)が参加した。
各連邦構成体(以下「地方」)の投資環境改善への取り組みに、政府としても強い関心を示している。
地方の首長も大挙して参加する。
上位の地方はランキング発表の後にコメントの機会が与えられるが、コメントできない地方の首長も多く参加する。このセッションは、いわば各地方の首長の「成績発表の場」なのだ。