旧聞に属する話で恐縮だが、筆者が勤める日本貿易振興機構(JETRO)では毎年、在外日系企業向けにアンケート(活動実態調査)を行っている。
ロシアにおいては開始以来7回目となる調査を昨年10~11月にかけて行った。
一般的に、ロシア市場の攻略は難しいと思われがちだ。しかし、気をつけるべきポイントに留意すれば意外に儲かる市場であることが、アンケートの結果から見えてくる。
黒字率は過去最高
今回のアンケート結果の特徴は、「ロシアは儲かる市場であることがいよいよ明らかになった」ことだ。
2018年の営業黒字を予測する回答企業は全体の72.8%。それまで最高だった2017年を6.5ポイント上回り、過去最高を更新した。
営業黒字見込みが底だったのは2015年。
2014年末の原油価格の暴落とそれに伴うルーブル為替レートの下落のほか、EUや米国などが2014年に発動したロシア向けの経済制裁措置、それに対するロシアの対抗措置(EUなどからの食品などの輸入禁止)が背景にある。
その後はロシア経済の安定・回復とともに、在ロシア日系企業の景況感も回復、それとともに黒字を見込む日系企業も増えていった(下の図)。