昔のアネクドート(ソ連ジョーク)に次のようなものがある。
3人の紳士がレストランに入った。メニューを見てそれぞれがウェイトレスに注文する。
最初の男は「私はビーフステーキにベイクトポテトをつけてもらおう」、次の男は「私は子牛のグリルにフライドポテトを」、そして最後の男は「私はカツレツにマッシュポテトだ」。
3人の注文をメモしたウェイトレスは厨房に向かって叫ぶ。
「肉とイモ、3人前!」
これはソ連時代の物不足とサービスの悪さを揶揄したもので、さすがに今はそんなことはない。しかし、ロシアを訪問したことがない人を中心にいまだにこのような認識が根強くはびこっているのも事実。認識のギャップは大きい。
昨今、ロシアの外食事情は大きく様変わりしており、不毛のソ連時代(あるいは1990年代前半)から驚くべき変容・進化を遂げている。
今回は、現代のロシア外食事情を俯瞰しつつ、ロシアの外食分野における日本企業のビジネス展開の可能性について考えてみたい。
最近のトレンドは汎アジア
ロスビジネスコンサルティング(RBC)の調査によると、ロシア経済の停滞を背景に、2014年以降の外食産業の状況は必ずしも芳しくない(下の表)。