日露の経済交流はこれまでは限られたプレイヤーによる、ある種の閉鎖的な関係であった。
それがいま、中小企業や地方自治体など新たなプレイヤーの参入で急速に変わりつつある。
これまでは偏った閉鎖的な関係
日露間の交流の閉鎖性は貿易構造から垣間見ることができる。例えば日本からロシアへの輸出は、自動車が4割強を占める。
輸出全体の4分の3を占めた2007年、2008年に比べればその割合は下がったものの、今でも自動車はロシア向け輸出の大きな柱である。
それ以外にも、輸出では自動車部品、建設機械、原動機といった機械製品が上位を占める。
その一方で輸入品目は、原油・天然ガスを中心にエネルギー資源が約7割だ。
ここから見えるのは、日本が機械設備を輸出し、ロシアから天然資源を輸入する構造だ。
このような構造は基本的にソ連時代から大きくは変わらない。
ソ連時代は自動車の代わりに電気機器や光学機器、あるいは大型のプラントが主力であり、輸入品はエネルギー資源の代わりに木材や魚介類であっただけのことだ。
ここから見えてくるのは、多様性に乏しい日露間の貿易構造だ。