北方領土返還に反対、モスクワで数百人が抗議

ロシアの首都モスクワで、日本への北方領土返還に関する協議の中止を求め抗議デモを行う人々(2019年1月20日撮影)。(c)Alexander NEMENOV / AFP〔AFPBB News

 先般の日露首脳会談ののち、日本では日露両国間の交流進展に悲観的な見方が広がっているように見える。平和条約交渉の先行きが見えにくいからだ。

 ただ、平和条約の話が進まないからといって日露間の交流は停滞してしまうのだろうか。また、停滞してしまってよいものだろうか。筆者はそうは思わない。

広がる日露の交流可能性

 筆者は昨年、本欄で外食産業、ロシアの中小企業の現状、デジタル経済、そして地域間交流の可能性など、様々なテーマで両国間の交流可能性についてお伝えしてきた。

 筆者が自身の業務の中で日露のビジネス交流に取り組んでおり、その中から得られた新たな可能性をお伝えしようとしたものである。

 2019年以降の日露ビジネス交流の流れはどのように進むのだろうか。

 一つのカギは「中小企業間の交流」だ。日露両国の企業数に占める中小企業の割合は高い。日本は99.7%、ロシアも97%が中小企業だ。

 経済の根幹を支える中小企業同士の交流が進めば、両国間の新たなビジネス交流の可能性も拡大する。

 ポイントはそれら中小企業同士の「人の交流をいかに進めていくか」だ。

 人的交流の輪が広がればお互いの顔が見えてくる。近くて遠い隣国・隣人への理解を深める第一歩だ。

 では、人的交流の拡大は具体的にはどのように進めることができるのだろうか。いくつかのキーワードとともに考えてみたい。