米アマゾン・ドットコムは、米国の「Prime」会員向けに提供している無料の翌日配送サービスを急ピッチで拡大していると、米ウォールストリート・ジャーナルが報じている。
翌日配達の実現には物流ネットワークの拡大が不可欠
アマゾンでは、このほど翌日配達の対象商品が約1000万点になったという。同社は今年(2019年)4月25日に開いた決算会見で、米国のPrime会員に、追加料金なしで提供している配達サービスを迅速化すると発表した。
日本のPrime特典には急ぎ便として、当日配達や翌日配達があるが、国土の広い米国では、注文日の翌々日に商品を届ける「Two-Day Shipping」が標準的な配送特典。しかし、今後は翌日に届ける「One-Day Shipping」を標準にすると発表したのだ。
現在、翌日配達の対象となっている商品は、美容関連商品や掃除用品、ビーチタオルなどアマゾンで売れているベストセラー商品。1000万点という商品点数は、翌々日便の対象となっている1億点に比べると、ごくわずか。だが、対象商品は新サービス発表時の4月下旬から急速に増えていると、アマゾンは説明している。
こうして、翌日配達の対象商品や対象地域を増やすためには、物流拠点を拡大する必要がある。アマゾンは先の決算会見で、これを実現するため、今年4~6月期に8億ドル(約860億円)を投じ、物流施設や配送ネットワークの拡充、強化を図るとしていた。
ウォルマートがアマゾン対抗の翌日便サービス
一方、アマゾンがPrime会員向け翌日配達を明らかにした次の日、競合の米ウォルマートは、ツイッターへの投稿で、アマゾンへの対抗姿勢を示した。