インターネット新聞「I」紙は、「日本なのか、韓国なのか? 日本産食品に占領された新世界百貨店食品館」というタイトルで、江南の人気百貨店のテパ地下を訪れた記者のルポを掲載した。新聞は江南新世界百貨店の食品館には日本産食品やデザートが25%以上を占めて、出入口のすぐ前の最も目につく場所に配置されるなど、大人気を得ていると報じている。記事の締めでは、「日本産食品の場合、放射能問題が心配だ」と指摘し、「これからは、韓国産食品が日本産食品の売り場を占める日が来ることを望む」と付け加えている。
また日刊紙「M」紙のインターネット版は、「日本よりイルパ(日本文化愛好家)がもっと嫌いです」というタイトルで、日本製品と日本文化に陥った韓国人を非難した。記事は「日本文化が韓国人の日常に入り込んでいる」としながら、このような現象について「20代と30代の消費者の間で歴史的な痛みがあるだけに、日本製品の消費を排除すべきだという自省の声が高まっている」と報道した。
具体的には、「先祖とわれわれが受けた傷が分かっていながら、どうして日本を好きになれるのか」「もともと文化が日常に浸透することが一番恐ろしい。日本が韓国を植民地にした時も『文化統治』をしたではないか」 「売国奴、土着倭寇(親日韓国人という意味の新しい流行語)という言葉はあまりにも弱い。(彼らを批判する)もっと強力な単語が必要だ」「日本の芸能人を消費するのも植民地残滓の清算を防ぐ潜在的な共犯だ。イスラエルで人気のあるドイツの芸能人がどれほどいるか考えてみろ」などといったインターネット上の批判的意見を多数紹介した。
「日常生活における日本残滓の清算を急ぐべき」
インターネット新聞「F」紙は韓国で人気を得ている日本酒について批判した。
記事は、「日本の植民地統治時代、韓国の民族文化抹殺政策で韓国の伝統酒を抹殺し、その結果、韓国の伝統酒の代わりに、日本酒が韓国の伝統のお膳立てに愛用されるようになった」と説明し、「日常生活における日本残滓の清算を急ぐべき」と主張した。
最近、世界的に流行っている韓流ブームは、韓国人と韓国メディアを大きく盛り上げている。特に、多くの韓国メディアが、日本の若者の間で韓流が大きな人気を博している現状を大々的に報じ、「悪化した韓日関係修復の糸口になるもの」と期待を寄せている。
しかし一方で、韓国社会に浸透する日本文化に対しては、清算すべき対象とみなし、これを享受する人々を「売国奴」「親日派」と非難しているメディアや韓国人が存在する。韓国のインターネットコミュニティーには、「日本旅行に行くと言ったら周りから非難された」という悩みがたびたび上っている。日本製品だけでなく、「日本に旅行ボイコットも必要だ」との主張も急激に増えている。
こんなこともあった。ソウル付近の京畿道(キョンギド)にあるニュータウンに日本のレストランを集中的に誘致して「ジャパンタウン」を造成しようという動きがあるのだが、これが韓国メディアと国民の猛烈な反対で漂流しているのだ。「朝鮮日報」によると、ジャパンタウン建設を反対する国民請願は10万人を超えたが、肝心な地域住民や商人たちの間ではおおむねこの計画に賛成していたという。ジャパンタウンが作られれば流入人口が増え、商売にもプラスになるという意見が多数だったそうだ。だが、メディアがこの問題を集中的に報道したことで、「3・1運動100周年にジャパンタウンとはなにごとか!」と、世論から袋叩きにされ、いまだ計画が保留されている状態なのだ。
一部の韓国社会に見れれる、このような「내로남불(ネロナンブル=ダブルスタンダード)」こそが、日韓関係修復への大きな障害要因になっていることを、韓国人は早く気づいてほしい。