米国の市場調査会社IDCによると、昨年の年末商戦を含む第4四半期におけるタブレット端末の世界出荷台数は、前の四半期の2倍以上の1010万台になった。このうち米アップルの「アイパッド(iPad)」のシェアが73%となり、最も多く出荷されたという。
現在のところアイパッドの唯一の有力ライバルと見られている韓国サムスン電子の「ギャラクシシータブ(GALAXY Tab)」のシェアは17%。このことは世界のタブレット市場でアイパッドの地位が盤石であることを示しているとIDCは見ている。
IDCが言う「タブレット端末」とは、5~14インチのカラーディスプレイを備えた機器で、アップルの「アイオーエス(iOS)」や米グーグルの「アンドロイド(Android)」といった軽量の基本ソフト(OS)を搭載し、マイクロプロセッサーの基本設計は英アームホールディングスが開発した「ARM」か米インテルが開発した「x86」のいずれかを採用しているものを指している。
これに対し、従来からある「タブレットPC」は同じタブレット型でもパソコンのOSとx86プロセッサーを搭載している。つまり後者は純粋なパソコンであり、IDCは市場を予測するうえで、両者を区別する必要があると考えている。
また、タブレット端末は様々なアプリケーションが動作する多目的の機器という点で電子書籍リーダー端末とも一線を画す。これら3者は形状や大きさは似ているが、それぞれ異なる市場が形成されているというわけだ。
「タブレット端末、2011年の出荷台数は5000万台に」
アップルがアイパッドを発売したのは昨年の4月で、同社は12月末までで約1500万台を販売しているが、今年は新モデル「アイパッド2(iPad 2)」が登場することから市場はさらに活性化するとIDCは見ている。これにより、年末までに市場全体で5000万台のタブレット端末が出荷され、アップルのシェアも70~80%で推移するという。
アップルのライバルメーカーについて見ると、例えばサムスンは昨年第4四半期に7インチ型のギャラクシシータブを発売しており、今年は10.1インチ型の市場投入も計画している。しかし同端末が価格競争力を欠いていることや、アイパッド2の登場で競争がさらに続くことから、サムスンは苦戦を強いられるという。