結腸がん検診は45歳から、米国がん協会が勧告 若い世代で発症増

CTスキャンの画像を見る医者と患者(2018年2月8日撮影、資料写真)。(c)AFP PHOTO / SAUL LOEB〔AFPBB News

 がん診療ガイドライン作成委員は製薬企業から年間計3億円の金銭的報酬を得ている――。

 これは私たち研究チームが今年4月26日に発表した研究結果です。

 診療方針を提言するガイドラインと治療薬を販売している製薬会社は、金銭的にどのような結びつきがあるのか――。

 製薬企業からがん診療ガイドライン委員に対して講演会などへの謝礼金として支払われた金額を分析した研究結果は、米国医師会のオープンアクセスジャーナルに掲載されました。

 今回は日本・アジアで初となる論文の内容を紹介いたします。

論文のあらすじ

 私は仙台で消化器内科医として勤務しつつ、製薬会社が医師に個人的な謝礼金として支払っている金額の実態と分布の研究を進めています。

 これはワセダクロニクルと医療ガバナンス研究所が共同で行なっている調査研究となります。

 医師は製薬企業が主催する講演会の講演料や原稿に対する対価として金銭的報酬を受け取ることがあります。そのような実態を明らかにする取り組み、研究ということです。

(MRIC Vol.012製薬企業から医師への謝金、一般無料公開始めましたhttp://medg.jp/mt/?p=8824

 今回、私たちはがん診療ガイドラインに着目し、日本で最も死亡数の多い6つの癌の診療ガイドライン、胃癌(2018年)、大腸癌(2016年) 、肝臓癌 (2017年) 、肺癌 (2017年) 、膵癌 (2016年) 、乳癌 (2018年) の作成委員326人に対して、2016年に製薬企業が支払った金額をまとめました。

 その結果は、ほとんどの委員(326人中255人)に受け取りがあり、総額が約3億7800万円に上り、製薬企業との関連性の公開の方法は不十分であるというものでした。

 私たちは論文として結果をまとめ、研究内容は2019年4月26日、「JAMA Network Open」誌に掲載されました。同誌は米国医師会が発行しているオープンアクセスジャーナルです。

https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2731682