いまの日本は、高齢化や国民の医療費の高騰にも直面している。足下ではベッド数の削減、入院期間の短縮といった対策が進んでいるが、ムダな医療の削減はそうした対策の一つに入ってしかるべきものである。
日本でも、さまざまな医療のニュースが報じられるが、報道されない事実、考え方、視点、トレンドも数多く存在している。チュージングワイズリーは、日本の医療従事者にとっては、まだまだ「広がると困る」動きなのかもしれない。自分たちの首を絞めるような活動であるため、一般の人々が医療に疑問を持つことにいい顔をしない人もいる。
ただそうした中でも、人々の間で医療に対する関心は高まりをみせ、情報も増えている。これは前向きな兆候と考えていいだろう。だが情報を盲目的に信じ、患者が医療を過信することは問題でもある。患者はむしろ医療を疑うべきなのだ。
医療行為を「賢く選ぶ」ための具体的なリストについては、拙著をご覧いただきたい。2冊あわせて約550の「ムダな医療」が掲載されているので、ご活用いただけたら幸いである。