かれこれ1年ほど前になりますが、厚生労働省から「健康寿命」の統計調査結果が発表されました。
取りまとめに時間がかかり最新データとして示された2016年の数値ですが
男性が 72.14歳
女性が 74.79歳
という結果。あれから1年の間、この連載ではあまり触れませんが、日本学術会議の当該小委員会で「健康寿命延伸」に関する仕事を担当させられています。
昨年末からは政府答申の責任執筆者として取りまとめを行い、年明けにはシンポジウム(http://www.scj.go.jp/ja/event/pdf2/271-s-3-5.pdf)なども開催しました。
大学授業としての公務なので連載のテーマにはほとんどしてきませんでした。ただ、年度末に当たって、全国民が知悉しておくべき、この問題について簡単に解説してみたいと思います。
健康寿命って何?
さて、改めて上の数字を見て見ましょう。男性が約72歳、女性が約75歳。「そんなに日本の寿命って短かったっけ? 寿命は80歳を超えてるんじゃないの?」という声が聞こえそうです。
その通りなんです。日本人の「平均寿命」は、2018年夏発表のデータを引用すれば
男性が 81.09歳
女性が 87.26歳
となります。
昨今「厚労省」の「統計データ」は、いろいろな批判にさらされていますが、こちらのデータは「旧労働省」ではなく「旧厚生省」側の数字。
かつ正味の余命というのは死亡診断書などで判断されるものですから、データ改竄などの心配はない数字と考えていいと思います。