この数日間、米アップルが廉価版の「アイフォーン(iPhone)」を開発中だという話で持ち切りだ。2月12日に米ブルームバーグが第1報を伝え、14日には米ウォールストリート・ジャーナルが独自取材を加えた続報という形で記事を掲載した。
大きさも価格も半分程度
いずれも昨年後半に試作機を見たという関係者筋の話として伝えている。それによると本体の大きさは現行「アイフォーン4(iPhone 4)」の3分の1~半分程度。価格も半額になる。
アイフォーンの現行モデルに加わる新たなラインアップとして今夏にも発売されるとのことで、ウォールストリート・ジャーナルはアップルが「N97」というコード名で開発を進めていると報じている。
アップルが米国で通信事業者に販売しているアイフォーン4の平均価格は625ドル。通信事業者は2年間のサービス契約を義務づけるが、その代わり本体価格を199ドルに値引きして消費者に販売している。
アイフォーンの価格が半分程度になれば通信事業者は端末をほぼ無料で提供できるようになり、アップルはライバル端末ひしめくマスマーケットに価格競争力を持った製品を投入できるというわけだ。
オンラインサービスを無償化
これに伴ってアップルが変更を加えるのがオンラインサービスの「モバイルミー(MobileMe)」。
これは現在年間99ドルで提供している有料サービスで、ファイルなどを保存しておけるオンラインストレージのほか、連絡先やカレンダーのデータ、メモ、ウェブブラウザーのブックマークなどを保存しておき、パソコンやアイフォーン、アイパッドなどと同期できるというもの。
アップルはこれを無料にし、音楽サービスの機能も追加する計画だとウォールストリート・ジャーナルは伝えている。
音楽CDから変換した楽曲ファイルまで保存しておけるかは定かでないが、少なくともアップルの音楽ダウンロード販売サービス「アイチューンズ・ストア(iTunes Store)」で購入した楽曲は同社のサーバーに記録される模様だ。