スポーツ界の腐敗が止まらない。アメリカンフットボール、大相撲、体操界とスキャンダルが続く。
政府は補助金支給などを通じて、規制を強化するようだが、あまり期待はできない。それは政府とスポーツ界が「癒着」しているからだ。
前スポーツ庁参事官が不適切な接待
10月19日には、前スポーツ庁参事官の51歳男性が、減給10分の1(2か月)の処分を受けていたことが公表された。
朝日新聞によると、医療コンサル会社元役員から不適切な接待を受け、「スポーツ界のコンプライアンス強化事業」をめぐって採択件数を2件から3件に増やし、技術審査採点で3番目の順位にいた元役員の関連団体の事業が採択されるように配慮したらしい。
私は小学校以来、剣道をやってきた。中学・高校・大学時代には剣道部に所属した。ご縁があって『剣道時代』という業界誌で連載を続けている。
状況は剣道も変わらない。『剣道時代』の連載に加筆して、この問題をご紹介したい。
私が、この問題を考えるきっかけとなったのは、8月17日、全日本剣道連盟(全剣連)が、居合道の段位・称号(範士など)の審査で、受験者が審査員に現金を渡していたことを認めたことだ。
段位がカネで買われていたことを意味する。
この件はマスコミが広く報じたため、ご存じの方も多いだろう。マスコミ報道によれば、告発した男性は、2012年に8段の審査を受けた際、複数の審査員に総額650万円を渡すように求められたという。