米グーグル、自社アプリ搭載メーカーに課金へ EUの追加制裁金を回避

グーグルのロゴの設置物(2018年9月26日撮影)。(c)Johannes EISELE / AFP〔AFPBB News

 海外メディアの報道によると、米グーグルが欧州でモバイル端末のメーカーに課すことになる、アプリのライセンス料は、端末1台当たり最大40ドル(約4500円)になるという。

 ただし、結局のところ、多くのメーカーは、この料金をグーグルに支払い、引き続き同社製アプリをプリインストールして製品を販売するだろうと、米CNBCは伝えている。

国や端末の種類で異なるライセンス料

 米ザ・バージによると、グーグルが欧州で新たに設ける同社製アプリのライセンス料は、国や端末の種類によって異なる。

 グーグルは、欧州経済領域(EEA)を3つに分け、それぞれのライセンス料を設定する。最も高額な地域は、英国、スウェーデン、ドイツ、ノルウェー、オランダ。これらの国では、ディスプレーの解像度が500ppiを超える端末に対するライセンス料が40ドルになる。そして、400~500ppiの端末は同20ドル、400ppiを下回る端末は同10ドル。このほかグーグルは、一部の国の低価格端末に対し、2.50ドルという格安の料金も設定する。

 なぜ、ディスプレーの解像度によって料金が変化するのかは定かではない。しかし、端末はディスプレーの性能が高くなるほど、高価格になる。このことから、グーグルは端末価格を判断する基準として解像度を採用したのではないかと、ザ・バージは伝えている。このほか、タブレット端末に対する料金は国による違いはなく、1台当たり20ドルが上限になるという。

EUがGoogle SearchとChromeのバンドルを禁止

 これらのライセンス制度は、欧州連合(EU)の是正命令に応えたものだ。グーグルは、Google Playをプリインストールして販売する端末メーカーに対し、同社の検索アプリ「Google Search」とウェブブラウザー「Chrome」も併せてプリインストールするよう義務付けている。

 しかし、この行為が、グーグルの検索広告とディスプレー広告を優位にしており、競争法に違反するとEUは主張。今年(2018年)7月、グーグルに対し約43億ユーロ(約5700億円)の制裁金支払いを命じた。