MASCOTのカメラによるリュウグウの画像。(提供:MASCOT/DLR,JAXA)

 リュウグウの1日は7時間36分。MASCOTの内蔵電池は2昼夜分だったが、予定を超えて昼を3回、夜を2回過ごした。その間、MASCOTはステレオ画像を撮影し、2回ホップして異なる場所で観測。全データを母船であるはやぶさ2に送り、10月4日4時30分に運用を終了した。

 MASCOTチームによると、リュウグウ表面の様子は、想像よりすごいものだったという。「すべてが荒々しい岩で覆われていて、岩塊がまき散らされている。最も驚くべきことは、細かい物質が積もったところが全く見あたらないこと。宇宙風化によって細かい物質が生じるはずだからです」(MASCOTミッションの科学とりまとめ担当ラルフ・ヨーマン氏)。リュウグウは、不思議と驚きに満ちている。MASCOTの着陸点はルイス・キャロルの著作にちなんで「Alice's Wonderland(アリスの不思議の国)」と名付けられた。

 大仕事を成功させたMASCOTは今、リュウグウの静かな住人となっている。

はやぶさ2着陸に向けて、確認すべき3つのポイント

 いよいよ次は、はやぶさ2のタッチダウン、そして試料採取だ。冒頭に「はやぶさ2の実力を知る必要がある」という津田プロマネの発言を紹介したが、どういうことだろう。

 まず、どのくらいの岩があると着陸できないのかについて。はやぶさ2がサンプルを採るための機器サンプラーホーンは、70cmの長さがある。そこで、50cm以上の高さの岩がないことが条件となる。着陸候補地の詳細な解析の結果、条件に当てはまる直径20mのエリアを見つけ出した。

はやぶさ2からは、サンプルを採るため約70cmの機器サンプラーホーンが飛び出している。これが岩に当たらないかどうかがポイント。また、タッチダウン前には、目印となるターゲットマーカー(画像下の丸い球)を放出する。(提供:JAXA)

 当初、はやぶさ2の着陸精度は約50m。比較的平坦な100m四方のエリアの真ん中を狙えば着陸できるだろうと考えていた。だが「それではリュウグウに歯が立たない」ことが判明。その後の運用によって、高度50mまでは10mの精度で探査機を誘導できることが確認できた。