岩村町城下町の「本通り」(筆者撮影、以下同)

 NHKの連続テレビ小説『半分、青い。』が9月末で終了する。ドラマの人気に伴い、主人公の生まれ故郷「ふくろう商店街」のロケ地(岐阜県恵那市岩村町の岩村城下町)には大勢の観光客が押し寄せている。

 番組放送開始からの4カ月(2018年4月~7月)で岩村城下町には12万3535人の観光客が訪れた(恵那市役所)という。過去5年(2012~2016年)の年間平均観光客数は9万人だったというから、ドラマの効果は極めて大きい。

岐阜県恵那市岩村町の位置(Googleマップ)
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 筆者もドラマを見て岩村町に興味が湧き、訪れてみた。

 岩村町は、江戸時代に「岩村藩」として三万石の石高を有する城下町だった。現在は「本通り」と呼ばれる東西約1.4キロの道の両側に、当時からの古い民家が285世帯並び、重要伝統的建造物群保存地区に選定されている。寛政年間に創業した菓子舗もあれば、昭和の開業を思わせる電器店やクリーニング店もある。

 ノスタルジーあふれる風情の裏には、住民たちの努力もあった。例えば、建物の表構えに手を入れて、雰囲気を統一する「修理修景」という取り組みがあったという。筆者は「よくここまで保存して、手を入れたな」と率直に感心させられた。

住民が足並みを揃えて建物の表構えを修理し、街の統一感を生み出している