ノーベル文学賞選考機関トップと会員1人が辞任、性的暴行疑惑めぐり

スウェーデン首都ストックホルムで行われたスウェーデン・アカデミーの会議を終え、記者団に話をするサラ・ダニウス事務局長(2018年4月12日撮影)。(c)AFP PHOTO / TT NEWS AGENCY / Jonas EKSTROMER〔AFPBB News

 最初に、久しぶりになりますが、公開行事の告知(http://mitsishikawa.wixsite.com/musicmanufacture/14-7)をさせてください。

東京大学哲学熟議14=哲楽遊戯7

「死海に青雲 生き死にいわず 生きんとのみ」

金子兜太生誕九九年節  シリアのいま と 兜太俳句アラブ語朗誦

 今年2月20日に惜しくも亡くなられた金子兜太さん。

 私たちは3年前から、アムステルダム・アンネ・フランク・ハウスなどと協力して、金子さんの俳句を、紛争など互いに対立し合う集団双方の言語に訳して対話と和解を促進するプロジェクトを進めてきました。

 その第1弾、正確にはプレイベントとして、99歳のお誕生日に「アラビア語訳」を、シリアの詩人ムハンマド。オダイマ氏の訳と「朗誦」という予定で進めてきました。

 しかし、金子さんご本人は一足先に彼岸へと旅立ってしまわれました。

 詩は、人類が文字など作る前から存在していました。

 古代ギリシャ社会で市民の基本教養として暗唱された(伝)ホメロスの叙事詩も、そもそもは「音」として作られ、暗唱され、文字に記されるようになったのは、ペルシャ戦争以降など、ずっと新しい時代になってからのことに過ぎません。

 実際、詩は短く見積もっても8000年、本来は数万、数十万年の人類史を通じて、本質的に「声に出して朗誦され」て初めて詩として成立します。

 逆に言うと、文字だけで訳があっても、それは詩だとは見なせないんですね。