モスクワ空港自爆は北カフカス出身20歳、外国人狙う 露捜査当局

自爆テロの被害者を追悼する人々(1月27日)〔AFPBB News

 「これだけ頻繁に地震の起こる日本で、よく日本人が平気で暮らしていられるものだと思っていた。でも、日本に住み始めて分かったことは日本人が地震をうまく生活に取り入れて、ある意味で地震を潤滑油として使っていることだ」

 その心は、「どんな侃々諤々の議論の最中でも、誰かが地震を感じると、“今、揺れたの感じた?”という問いかけに全員が同じ方向を向いて、瞬間的にその場全体を一体感が満たす」のだそうです。だから、地震=潤滑油だと言うのです。

 ロシアにおけるテロと似ています。ロシアではどんなに現政権を批判する人でも、どんなに日々の生活に苦しんでいる人でも、一度テロが起きると、まず自分がその場に居合わせなかった幸せを喜び、次に全員がテロ行為を非難する。

 その瞬間、すべての人々は同じ方向を向いて、社会全体を一体感が満たすのです。だから、こういう社会的効用が続く限り、テロはなくならないというのです。 乱暴な議論ですが、雰囲気として当たっています。

天災と人災が重なって被害を拡大させる

ヨーロッパ各地から前日に戻り、一夜明ける間に機体には氷が張り、解凍液不足で出発するにも出発できず、3日間という大変な遅延を起こしてしまった。ヨーロッパの航空会社の機体は、モスクワ駐機時間がせいぜい2時間程度なので氷は大したことはなく、また空港会社に氷結防止作業を委託しているので問題はなかった。(12月28日撮影)

 周囲を見回すと、人災と自然災害が一体化して、とんでもない被害を出す、というのは極めてロシアではよく見られる現象だ、ということです。

 筆者も被害者となったモスクワでの12月26日から29日にかけての氷雨と、アエロフロート機の発着遅延事件。

 氷雨は自然現象ですが、フライトが遅延したために引き起こされたシェレメチエボ空港での混乱は、人災以外の何物でもありません。

 12月26日は、未明から雪の代わりに氷雨が降るという、モスクワでは珍しい天候でした。実際、道路は厚い氷で覆われてしまい、車も危なくて動かせないという大変な朝でした。

 幸い、白ロシア駅から空港まではエアポートエクスプレスという電車が出ているので、何とかシェレメチエボ空港まではたどり着けました。