米高校銃乱射、19歳被告に死刑求刑

米高校銃乱射、19歳被告に死刑求刑。写真は米カリフォルニア州ブロワード郡の法廷に出廷したニコラス・クルーズ被告(2018年2月15日撮影)。(c)AFP PHOTO / POOL / Susan STOCKER-SUN SENTINEL 〔AFPBB News

 オウム真理教の麻原彰晃元死刑囚ら7人の死刑が執行された翌週、米アリゾナ州で1人の死刑囚が処刑される予定だった。

 「予定だった」と記したのは、スコット・レイモンド・ドジィエ死刑囚(47:以下ドジィエ)は死刑執行を免れたからである。

 日本とは違い、本人だけでなくメディアにも7月11日の死刑執行日が事前に告げられていたが、突然11月に延期された。

 ドジィエにいったい何があったのか。本件を追いながら、日米の死刑制度の違いや米国の現状を探る。

麻薬売買にからみバラバラ殺人

 まずドジィエがどんな罪を犯したかというところから始めたい。ネバダ州で生まれたドジィエは5歳から7歳まで性的虐待を受け、10代の頃から麻薬の売買を行っていた。

 2001年7月に麻薬の売買にからむ人間関係のもつれから、1人の仲間を殺害。プラスチック製容器に遺体を入れて、アリゾナ州の砂漠に埋めた。

 翌2002年4月にも麻薬売買の仲間を殺害し、バラバラに切断した後、スーツケースに入れてネバダ州ラスベガス市郊外に遺棄した。

 最初の殺人事件では、2005年に懲役22年の有罪判決が下り、2件目は2007年に死刑判決が出された。