汗とにおいを抑えるために、何ができるか。

 目に見えない「におい」が、視覚的な要素でもある「身だしなみ」に大きく影響している。

 きつい体臭は取引先や顧客など、初対面の人の印象をマイナスにするだけでなく、日々接している社内の人間関係も悪化させる。自分が相手に与えるにおいを意識して、マネジメントすることは、日常生活でもビジネスのマナーとしても重要だ。特に、暑い時期の汗のにおいは放っておけない。

 最終回は、五味クリニック院長、五味常明医師に、すぐに始められる汗とにおいの対策について聞いた。

普段の生活で何ができる?

――暑い時期は汗のにおいが気になります。入浴法で気を付けることはありますか。

五味常明氏(以下、敬称略) 日頃から、におわない「いい汗」をかけるように汗腺を鍛える習慣をつけることが大切です。まずは入浴の方法から見直してみましょう。

 お風呂は寝る前に入って、そのままベッドに入る方が多いと思いますが、におい対策においては、おすすめできません。人間の体は、寝入りばなに寝汗をかいて体温を下げ、脳を落ち着かせることで熟睡できるようになっています。寝る直前の入浴は、脳の温度と体温が上がっている状態なので、熟睡できないだけでなく、体が必要以上に汗をかき、これが残ると体臭を引き起こします。

 また、夜、お風呂に入らず、朝、シャワーを浴びている人も多いと思いますが、入浴後にすぐ活動すると、においの元となる乳酸がたまりやすくなります。夜も朝も入浴後、少なくとも1時間ぐらいはゆったりした気分で過ごしたいものです。さらに、朝のシャワーは高温で浴びると、出かける前に汗をかいてしまうので、水温は体温以下の温度にして体内に熱をためないようにしましょう。