じめじめとした暑い季節の到来。汗ばむこの時期に気になるのが体臭だ。
近年の清潔志向の高まりで、“におい”に対して敏感に反応する人が急増している。「隣の人が臭くて集中できない」「上司の体臭が耐えられない」「香水がきつくて気持ちが悪くなる」というように、職場でにおいのトラブルを訴える人が少なくない。「セクハラ」「パワハラ」「モラハラ」に加え、においによる嫌がらせ「スメルハラスメント」という言葉も定着してきた昨今、企業も対策を迫られている。
25~49歳の働く男女約1000名を対象に2017年に行われた調査*1によると、職場における『周囲の身だしなみで最もどうにかして欲しいこと』を聞いたところ、1位「ニオイ(体臭)」67.1%、2位「ニオイ(口臭)」60.2%。自分のにおいも含め、においが気になって仕事ができないという人が56.2%と半数以上を占めた。
さらに、におい(体臭)は相手の評価にどのような影響を与えるかを聞いたところ、相手の立場に関わらず、1位「一緒に仕事をしたくないと思う」、2位「周囲への気遣いや配慮が足りないと思う」という結果が出た。4割の人が「職場にスメルハラスメントがある」と回答し、6割が「問題である」と認識している。
職場において、におい(体臭)は対人関係のトラブルを引き起こすだけでなく、集中力を低下させ、仕事にも支障をきたしているということが浮き彫りとなった。
そこで、におい研究・体臭治療の権威である、五味クリニック院長、五味常明(ごみ・つねあき)医師に、職場における「スメハラ」の現状とビジネスに与える影響について聞いた。
*1:
https://www.mandom.co.jp/release/2017/src/2017052501.pdf
https://www.mandom.co.jp/release/2017/src/2017053101.pdf