前回の「メディア・リテラシー」の延長で、算数には戻らず、少しグローバルに視野を広げて日本を取り巻く国際情勢を考えてみたいと思います。
と言いつつ、入り口はちょっと違うところから。ここ数日、俳優のロバート・デ・ニーロとドナルド・トランプの舌戦応酬が報じられています。
デ・ニーロは6月10日、トニー賞授賞式の冒頭でこう述べました。
「一言いいかな・・・ファック・トランプ!(I'm gonna say one thing, 'fuck Trump.')」
場内は割れんばかりの歓声で、30秒ほど沸き立ちます。さらにデ・ニーロは続けました。
「もうトランプを引きずりおろせじゃない。もはやファック・トランプ!だ(It's no longer 'Down with Trump,' it's 'Fuck Trump')」
満場の喝采を受けてデ・ニーロは、アメリカ合衆国最高の演劇およびミュージカル褒章のスピーチ冒頭で、自国の大統領を最低と罵倒し、満場の観衆がそれに賛同して盛り上がるという、なかなかお目にかかれないシーンが展開されました。
それから4日後、ところは変わってモンゴルのウランバートルで、北東アジアの安全保障を討議するウランバートル対話の場で、我が国外務省の志水参事官は北朝鮮外務省軍縮平和研究所のキム・ヨングク所長と、極めて短時間だけ意見を交わすことができました。
(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180614/k10011478271000.html)
同会議には中国、韓国、米国、ロシア、ドイツ、フランス、EU、国連や国際赤十字などを代表して150人以上の参加者がありました。
北朝鮮代表は多くの国や機関の代表と積極的に議論を交わしつつ、「日本とは話すことはない」と時間を取ってもらうことがほとんどできなかったのが実のところのようです。
会議全体でも我が国は追いついていくのに必死という、北東アジアの外交、安全保障の観点から相当な現実を見せつけられてしまいました。