中国では産後1カ月の産褥期を「月子(ユエズ)」と呼び、産婦はその月子期間中、出産で疲れた体を回復させるために徹底的に休養を取る。その徹底ぶりは「トイレに行くとき以外はベッドを下りない」と言われるほどだ。
そんな中国には、赤ちゃんを産んだばかりの産婦と乳児の世話に特化した「月嫂(ユエサオ)」と呼ばれる家政婦がいる。ホワイトカラーを優に超える給料をもらい、産後ママの痒いところに手が届くサービスを提供する、誰よりも重宝される最強の家政婦だ。
ユエサオの赤ちゃん向けの主な仕事は、おむつを替える、ミルクを飲ませる、お風呂に入れる、衣類を洗濯する、の4つ。ただ、産婦の家に住み込み、24時間体制で赤ちゃんの世話をしてくれるから、産婦は安心して身体を休めることができる。
産婦向けには、1日3回の栄養豊富な食事のほか、おやつの用意、母乳の出のケアや授乳、子宮回復のための指導なども担う。そのため、産婦は1カ月間、病院に入院しているのと同等、いやそれ以上のサポートを受けることができると言える。
賃金は12年で5倍に
そんな中国で、ユエサオの賃金が高騰し始めて久しい。