米中首脳会談、国際問題での協調を確認 人権問題では相違

ホワイトハウスでバラク・オバマ大統領と握手する中国の胡錦濤・総書記〔AFPBB News

 米国東部時間1月18日、胡錦濤総書記はワシントンD.C.郊外のアンドリュース空軍基地に降り立った。

 出迎えはジョセフ・バイデン副大統領、異例の厚遇と言えよう。通常同基地での行事は簡素で、閣僚が出迎えることすらあまりないと記憶する。

 こうして中国側が切望していた胡錦濤「国賓」訪米が始まった。米側は中国の面子を潰さないよう最大限配慮している。米国メディアも今回の訪米を大きく取り上げ、CNNはすべての公式行事を生中継で詳しく報じた。

 しかし、これらの映像を見る限り、胡錦濤総書記の表情には「国賓」に相応しい晴れやかな「微笑み」がどこか足りないように思える。それどころか、同総書記が時々見せるあの「陰鬱」とも思えるほどの堅い表情は一体なぜなのだろう。

対中圧力を強める米国

 2009年11月バラク・オバマ大統領が訪中した頃、米政府関係者は対中配慮を優先して批判的言動を極力控えていたように思う。ところが、今回胡錦濤総書記を迎えるワシントンの雰囲気は以前よりも格段に厳しくなっている。例えば、こんな具合だ。

 「サイバー、宇宙戦分野での中国の軍事技術の進展は太平洋における米軍の作戦能力に対する挑戦となり得る」(1月14日、ロバート・ゲーツ国防長官発言)

 「経済、北朝鮮だけでなく、人権の分野でも中国の協力が必要である。我々はアメリカの利益と価値観を忘れてはならない」(1月19日、ヒラリー・クリントン国務長官)

 「もし中国が米国における良好な投資環境と米国技術へのアクセスを望むのなら、中国側も人民元切り上げと米企業への市場アクセスという米側の要求を満たすべきである」(1月上旬、ティモシー・ガイトナー財務長官)

 日米貿易摩擦時代を知る日本側関係者には実に懐かしい「高圧的」発言ばかりだ。しかも、当時の「日本株式会社」の懸案は貿易赤字と為替問題だけで、「中国株式会社」のように安全保障や人権までが争点となることはほとんどなかった。

胡錦濤はレームダック

 今回米国は、ここぞとばかり、対中圧力を強めている。胡錦濤総書記に笑顔が少なかった理由が、こうした米側の厳しい態度であることは間違いなかろう。しかし、現在の中国は米側圧力に簡単に屈するような「柔な」国家ではない。