まずはGMとボルボの車で
現在のところ、このサービスを利用できる車は、「シボレー」「ビュイック」「キャデラック」などのゼネラル・モーターズ(GM)車と、スウェーデンのボルボ・カーの一部の車種。
GMには「OnStar」という車載情報サービスがある。ボルボにも「Volvo On Call」という同様のサービスがあり、今回、これらのサービスが、アマゾンのシステムと連携したとのことだ。アマゾンによると、現時点で、Amazon Key In-Carを利用することが可能な自動車オーナーは、GM車だけでも、700万人以上いるという。
不在時宅内配達の「Amazon Key」を拡大
このAmazon Key In-Carは、同社が昨年10月に米国で始めた、不在時宅内配達サービス「Amazon Key」を拡大したものだ。
こちらは、顧客自宅の玄関ドアに専用の電子錠を取り付け、「Amazon Cloud Cam」と呼ぶセキュリティーカメラを、屋内に設置して、利用する。
今回のKey In-Carのように、配達ドライバーは、玄関ドアを解錠し、商品を宅内に置き、施錠して帰っていく。配達の様子は、カメラで捉えており、顧客はその映像を、職場などの離れた場所からスマートフォンで見ることができる。この点が、Key In-Carとは異なる。
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アマゾンによると、いずれのサービスも、解錠の際の認証通信は暗号化される。また、配達ドライバーには特別なコードやキーなど、一切渡さないとしている。
これらアマゾンのサービスは、物流事業の拡大を狙った施策と言えるのかも知れない。この話題について報じている、米ウォールストリート・ジャーナルの記事は、「アマゾンは小売事業の全工程を自社で管理しようとしている」とも伝えている。
小売事業の全プロセスにおいて、最終段階に当たるのが、顧客の手元に商品を届ける作業。同社はこれを自社でコントロールすることで、eコマース事業の効率化、そして顧客利便性の向上を図ろうとしているようだ。