米CNBCの報道によると、米アマゾン・ドットコムは、医薬品などを病院に販売する事業を立ち上げる予定だったが、このほど、計画を断念した。
「Amazon Business」の医療分野を拡大へ
同社が米12州で、医薬品卸売り販売の認可を受けたと伝えられたのは、昨年(2017年)の10月(米ニューヨーク・タイムズの記事)。これにより、医薬品販売業者の株価が軒並み下落するといった事態が起きたが、今回の報道を受けて、株の買い戻しが見られたという。
CNBCによると、アマゾンが医薬品販売事業を断念した理由は、この分野への参入が、予想していたよりも困難だと分かったから。
アマゾンには、「Amazon Business」と呼ぶ、法人向けeコマースサービスがある。同社は、この事業の一環として、病院などの規模の大きな医療機関に向けて、医薬品や医療機器を販売するビジネスを検討していた。そのため、大手病院の幹部などを招き入れたアドバイザリーボードを設置するなどし、計画を進めていたという。
立ちはだかる数々の壁
しかし、病院と、医薬品の流通ネットワーク(サプライチェーン)は、長年にわたり緊密な関係を築いている。また病院同士は連携して、医薬品サプライチェーンと購買交渉するための事業体を設けており、その株式も持っている。こうした状況では、アマゾンが入り込む余地がないという。